味の蔵

ベイダー卿

2012年05月17日 23:31



すすきの交差点近くのラーメン屋 味の蔵

ここは私のホームだ。
疲れて店を考えるのが面倒くさい
疲れて帰って早く寝たい。
そういった処方の場合利用する。


















オヤジの味の蔵使用法

実はこれは私が考案したものではない。
我が社の単身赴任者が発案し、代々受け継がれた社外秘な機密情報だ。
このような所で公表して良い物か悩む所ではあるが、こんなブログ、誰も見ていないので良しとしよう。

まづは味の蔵の暖簾を潜りカウンターに座る。
座る位置はカウンターの両端がベストだ。
なんせ店が狭い。
真ん中にデンと座り、両サイドに客が入るとそのメタボリックな腹が邪魔で永遠に店から出ることは叶わない。
オヤジの生け簀と化すから要注意だ。

カウンターに座って先ず

親父!!瓶ビール!!

こう叫ぶのだ。
ラーメンを喰べたいのは解る。
でも駄目だ。
世の中には理がある。
どんなにメタボリックな腹がギュルギュル言っていても、まづは瓶ビールなのだ。


























瓶ビールを頼んであなたは私に感謝するであろう。
写真に有るようにここの瓶はサッポロクラッシックなのである。
生ビールもあるが、決して頼んではいけない。
生ビールは注ぐ人の腕が味にでる。
ここはラーメン屋だ。
居酒屋ではない。
ラーメンを作ることに長けた方がいる店であって、酒を作ることは素人だ。
その点瓶ビールはどんな店のものであろうが、冷えてれば旨い。
下手な生ビールよりよっぽど旨いのである。



























カウンターに様々なトッピングの材料が置いてある。
どれも自由に食して良い。
先づはつまみとして辛もやしを食する。



























モシャモシャ、グビッ
モシャモシャ、グビッ
とやるのだ。
実は餃子など魅力的なメニューも存在する。
でもこれも頼んではいけない。
頼むと500mlの瓶ビール1本では足りなくなるからだ。
2本、3本と呑み進めて行くならばこの店に来た意味は全くもって無意味だ。
目と鼻の先のすすきのには旨い酒が呑める魅力的な店が山程存在する。
この店の存在意義はラーメンを食する事に在る。
この店の瓶ビールはあくまでもアペリティフなのだ。

500mlの瓶ビールの残りがラスト1杯になった時初めて叫ぶのだ。


親父!!みそらーめんひとつ!!



ちなみにこの店は塩らーめんが580円、醤油らーめんが50円UPの630円、みそらーめんが更に50円UPの680円と成っている。
ここは一家の大黒柱。
声高々に最高級品を頼むのだ。
隣で塩らーめんなんか啜っている若者がいたら、どうだ凄いだろうと胸を張ったら良い。
麺はストレート麺とちぢれ麺を選択出来る様になっている。
豚骨ベースなので勿論ストレート麺だ。
そのうち頭の上のストレートは無くなって、股間のちぢれだけが残る運命のオヤジである。
今の内にストレートを堪能するのである。



























瓶ビールを呑み干す頃合いでみそらーめんが目の前に差し出される。
しかし待ってましたと噛りついてはいけない。
ここからが社外秘の作法があるのだ。
先づは辛高菜をこれでもかと投入する。
ここはケチってはいけない。
豚骨スープに辛高菜は絶対なのだ。
辛いのが苦手なオヤジも安心してよろしい。
ここの辛高菜は全く辛くない。
「辛」なんて言うこけ脅しに引っ掛かっては末代までの恥となる。
これでもかこれでもかと日頃の部下への不満、家庭への不満をぶちまけるかの様に投入するのである。
辛高菜を投入し終えると今度は擂り胡麻をたらふく擂る。
胡麻擂りは日中から得意なはずだ。
らーめん全体が胡麻だらけになるくらい擂る。
夜まで胡麻を擂りたくないと云う者は擂らんで良い。
でも胡麻は脚気防止にも有効なのだ。
食生活が偏っているオヤジは食した方が良い。
胡麻擂りが終わったら最後の閉めである。
七味をパラパラと振りかけて完了。
好みに寄って紅生姜なども入れても良い。
ただこれまでの行程で周りから既に「マジかよ」という目で見られているはずだ。
これ以上のトッピングは既に浮き世の目が気にならなくなった上級オヤジの技と成ろう。
一般のオヤジは七味までで充分である。



























これが完成形だ。
なんだ。たいしたことねぇじゃんとお思いなかれ。
私はここまで写真はパシャパシャ撮ってるはモシャモシャもやしは喰うは山盛りトッピングするはで充分白い目で見られている。
未だ尻の青い上級オヤジに成りきれない私にはこれが精一杯だったのである。

あとは思う存分むしゃぶりつくが良い。

途中替え玉を頼む事が出来るが、本物の豚骨麺と違い麺が太いので味がガクンと落ちる。
あまりお奨めしない。
ここからが最後の決まり事だ。


























スープは必ず三分の一くらい残す。

ズズっズイ~っと丼を抱え、最後までスープを貪りたい気持ちは解る。
でも我慢だ。
オヤジは満足してはいけない。
明日もあるのだ。
前へ、前へ、go、go、goなのだ。
こんな所で人生の喜びに浸ってはいけない。
まだまだ人生半ば。
子供の学費もあれば老後の心配もある。
多少嫁の心配も。
こんな所で過剰なコレステロールを摂取してはいけないのだ。
不満足な結果だからこそまたチャレンジ出来る。
また来ようと思う。
毎日でも食することが出来るのだ。


最後に氷が溶けたお冷やをゴクンと飲み干し告げるのだ。

親父!!お勘定!!










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