始動 冬 2010
プルルッ
「はーい。もしもーし」
「エルム高原だ!!」
「はい?」
「エルム高原を侵略せよ!!」
「ラ、ラジャー」
この1本の電話から僕の2010年は始まった。
アイヤー。ツヅキハコッチアルヨ!!
20100130AM8:00
僕は愛車スターデストロイヤーに乗り込み目的地エルム高原を目指した。
道は凍っていて、なかなか思ったように進まない。
4輪駆動の軽トラックにも抜かされるような勢いだ。
しかも何故か僕の下半身のドラゴンボールが異常に痛い。
まだ2つしかそろってないのにだ。
何か今回の侵略に不安を感じる瞬間だった。
そこでまた電話が鳴る。
「座標XXX XXXが今夜の野営地だ。」
今夜を共にするかずと&みゆき卿からの連絡だ。
僕は指示されたとおり、スターデストロイヤーのナビゲーションシステムに座標を打ち込んだ。
”所要時間は2時間です。”
フフッ
時速35キロで進むこのスターデストロイヤーはそんな短時間で到着するはずがないのに・・・
舌打ちしながら僕はスターデストロイヤーのアクセルペダルを踏むのだった。
20100130 PM1:00
僕のスターデストロイヤーは目的地のエルム高原に到着した。
思ったより早く到着できた。
ドラゴンボールの痛みを消すために飲んだバファリンの効果だろうか。
いまだに僕はバファリンなのかバッファリンなのかわからない。
僕の両親はバッファリンと呼んでいた。
だから僕は今でも呼んでいる。
バッファリン
と。
思いのほか早く到着できたのはバッファリンの半分のやさしさのおかげかもしれない。
ドラゴンボールの痛みと共に雪道の怖さも打ち消してくれたのだろう。
話を元に戻そう。
到着すると既にかずと&みゆき卿は到着していた。
久しぶりの再会に熱い抱擁をかわす。
ひと通りの愛撫を終えたあと、今晩の基地設営の準備に入った。
今夜の基地は会議室をパビリオン、宿舎をニーモ ゴーゴーにすることは決定済みだ。
宿舎のニーモ ゴーゴーは宿舎としてはあまりにも小さいが、この不況のおり文句も言ってられない。
ただでさえ僕はもともとジェダイだったのに帝国軍にトラバーユした身だ。
宿舎の大きさに文句の言えるような身分ではない。
文句を言おうものなら派遣の契約を打ち切られるかもしれない。
おとなしく本社の決定に従うまでだ。
会議室、宿舎の設営にはそれほど時間はかからなかった。
苦労したのは設営よりも降り積もっている雪を固める作業だ。
かずと&みゆき卿はさすがに慣れている。
三沢ばりのニードロップでどんどん雪を踏み固めていく。
僕はそれを観ながら拍手するのが精一杯だった。
野営地 エルム高原
宿舎 ニーモ ゴーゴー
会議室 パビリオン
かずと&みゆき卿はそのとき・・・
つづく
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