遭難ごっこ 3日目
遭難ごっこ 3日目
僕はいまひとり帰路にいる。
ローバー隊は朝早く北に向け出立した。
僕達は家に帰れるという安堵からか寝過ごしてしまい、昼過ぎの出立になった。
折りからの大雪の後の快晴。
僕達はもっと慎重になるべきだった。
だが隊長のいない我が隊はまたも判断を誤ることになる。
Doo隊員
yukari隊員
かずと隊員
みゆき隊員
僕以外の全てが雪崩に巻き込まれた。
里が見えて皆がほっと肩を撫で下ろしたところだった。
西壁からの地響きが全てを呑み込んだ。
僕は発狂とともに隊員のビーコンを探るも反応はない。
全てが無だ。
僕はいま帰路にいる。
いや
十字架を背負って新たな人生の往路かもしれない。
まっすぐ伸びた道が希望であるように…。
僕は前を向いて歩んでいく。
果てしなく長い道を。
遭難ごっこ おわり
もちろんフィクションです。
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